木森義隆 

博士(情報工学)

自然科学研究機構

新分野創成センター

特任助教




連絡先

kimori@orion.ac.jp

〒444-8585 

愛知県岡崎市

明大寺町字西郷中38



文部科学省科学研究費助成事業

新学術領域研究

学術研究支援基盤形成

「先端バイオイメージング支援(ABiS)プラットフォーム」に参画しています.

(総括班・画像解析トレーニング担当)


ようこそ 木森義隆のホームページへ


現在,生物・医科学研究における諸現象の多くは可視化され,画像データとして取得されています.従来の定性的解釈を超え,画像データをいかに定量的に理解するのか,ということが議論の焦点になっています.この実現のためには,画像データから解析に有用な情報を抽出し,それを数量的に表現できるようなプロセスが必要になります.このような背景を踏まえ,mathematical morphologyを用いた画像処理・解析手法を開発し,生物・医科学分野における様々な研究課題に取り組んでいます


研究キーワード

画像情報処理,情報工学Mathematical morphology,生命科学


お知らせ


ABiS画像解析トレーニングコース "ImageJを用いた画像データの処理と解析"

を開催しました.

2017年7月5日(水)~6日(木)・北海道大学電子科学研究所

コースの様子

Poster


研究トピックス


新規の画像処理アルゴリズムの開発

本研究では,Mathematical morphologyやそれを拡張したRotational morphological processingを用いて,生物医学画像処理に適した,新規の画像処理アルゴリズムを開発しています.

 

Rotational Morphological Processingとは


複雑な生物形態を記述し定量化する

本研究では,シロイヌナズナrhd3変異体における細胞骨格(アクチンフィラメント)の形態異常を野生型と比較することにより,その差を定量的に記述しました.上図には,野生型(WT)および変異体(rhd3)の細胞骨格(アクチンフィラメント)像をそれぞれ3例ずつ示しています((a)原画像(Bar:20µm)).野生型のフィラメントは,フィラメント径が細く,複雑なネットワーク構造をもっていることに対し,変異体では,個々のフィラメントがバンドル化し太く,ネットワーク構造のような複雑さはないことが見て取れます.しかし,目視でこのような表現型の記述はできても,それらの差異を数量的に把握することは困難でした.

 そこで,本研究では,それぞれの表現型の定量化手法の開発を行いました.フィラメントの太さT(y軸)およびネットワークパターンの複雑さBFPF(x軸)を特徴量として抽出し,その2次元特徴空間に野生型および変異体の画像それぞれ15例についての計測値をプロットしました(b).野生型および変異体のフィラメント形態は有意な差をもって区別することができました.

 さらに,変異体のフィラメント形態を2つのパターンに分類することができました.線形判別分析を行った結果,判別関数y = −28.113x + 50.210(点線で示す)で,2つのクラス(Class-1およびClass-2)に分けることができました.それぞれのクラスに属する画像3例を散布図の右側に示します.さらに,Class-1のデータに対し,回帰分析を行ったところ,回帰直線y = −6.560x + 13.051(実線で示す)にフィットしました.この関係式により,Class-1の表現型として,フィラメント径が太くなるにつれネットワーク構造の複雑さが低減することを表現でき,感覚でしか捉えられていなかった形態変化を定量化することができました.


見えにくい特徴を強調する

胸部単純X線画像における低コントラストな病変領域の強調 (日本放射線技術学会:標準ディジタル画像データベース [胸部腫瘤陰影像]を用いた).(a) JPCLN80, (b) JPCLN152.いずれも左側が原画像で右側が強調画像です(腫瘤部位を矢印で示す).


生物構造の3D可視化と4D動態

共焦点レーザー顕微鏡で撮影された細胞分裂の4Dデータ:細胞骨格(アクチンフィラメント)のみを抽出し,3D再構築しました.そのうえで,細胞分裂の時系列にそって細胞の動態を任意の視点で観察できるよう可視化しました.これにより,細胞の4D動態の詳細を計算機上で捉えることができるようになりました.順天堂大学・村山尚准教授らとの共同研究です.

神経細胞(シナプス領域)の3D再構築.左:マウス脳組織のSBF-SEM (Serial Block-Face Scanning Electron Microscopy) 像(3Dスタック画像の一枚を示す).右:3D再構成像.シナプス前細胞,シナプス後細胞および細胞内構造体等を自動セグメンテーションし,それぞれの構造を3D再構築しました(シナプス終末のミトコンドリア:緑色,シナプス小胞:橙色,シナプス後肥厚部:桃色,さらにシナプス後細胞:青色で区別して示す).生理研・電子顕微鏡グループとの共同研究です.